愛を運ぶケーキ屋さん
2cake*
「ふぅ····今日も働いた」
最後のお客様を見送った後、時計は閉店時間の三分前を示しており、入口の扉に掛けてある”open”の板をひっくり返し”close”に変える。
店内の掃除と食器の後片付けをこなせば、ショーケースに残っているケーキをパックに詰め、冷蔵庫に保管。
こうしていつもは店を閉めるのだが、今日は違ったのだ。
····入口の扉のすりガラスにうっすらと映る人影、身長的に子供のようなその影はウロウロと扉前を歩いている。
とうとう気になった私は扉を開けてみる。
「····っわ!!」
ーーそこに居たのは、なんとも可愛らしい女の子だった。