愛を運ぶケーキ屋さん
「····」
「····」
とりあえず、ピンクのワンピースを纏った可愛らしい女の子を店に案内すれば椅子に座らせた。
しかし、彼女は無言を続ける。
「···もう夜遅いですしご家族の方、心配しますよ?」
「····」
何を言っても不機嫌な顔をしたままだ。
とりあえず先程パックに詰めたケーキをさらに乗せ、アイスティーをカップに注げば彼女の前へ置いてみる。
「····なによ、これ」
「私が作ったケーキでございます。これは、モンブランというものです」
彼女はケーキを一口食べればふんぞり返ったように腕を組み私を見上げてこう言った。
「あんた、まだまだね!」