愛を運ぶケーキ屋さん
「そんな証拠ないじゃない!一人じゃ何も出来ないあなた達はただの弱虫よ」
「っ!ふざけないでよ!」
すると一人の女の子がふんぞり返っている彼女を後ろへ突き飛ばした。
そのままバランスを崩し、後ろに尻餅をついたその子は悔しそうに地面を見つめ、その瞳は涙でいっぱいになっている。
突き飛ばした女の子が更に罵倒しようと言葉を発する前に堪らなくなった私は座り込む彼女を抱き上げた。
「あ、あなたは····!」
「昨夜ぶりですね」
彼女は顔を真っ赤にしながらそっぽを向くも私にぎゅう、と抱きついてきたのだった。