先輩、ちょっと待って下さい!
「すみません……嫌って言えない性格で……」
突然、竜也先輩は立ち上がり、私へと近付いてきた。
「じゃあ、俺は今から花子にキスする」
先輩は私の目線に合わせて、しゃがみこんできた。
「え、ちょ、何言ってるんですか?」
先輩の顔が本当に近付いてきて、私は焦った。
これ、まじなやつ?
「先輩、ちょっと待ってください!!」
私は先輩の、胸を手で押さえた。
そして、今までで一番大きな声で叫んだ自分にも驚いた。