先輩、ちょっと待って下さい!




「言えるじゃん」



先輩はそう言って、自分の席へと戻った。



「へ?」



「花子は今みたいに、もっと素直に自分の感情を表現した方がいい」



白紙抜けというか、なんと言うか、先輩はわざとキスしようとしたんだ。



私が嫌って言えない性格って言ったから、言わせるため。




「はい……」



でも、本当にびっくりした。



先輩の顔がすぐ近くまで来たから、本当にキスされるかと思った。



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