先輩、ちょっと待って下さい!
「あ、噂をすれば生徒会長発見~♪」
遠くからでも、分かる竜也先輩。
背も高く、整った顔立ちは目立っているし、周りの女子達の視線を釘付けだ。
「黙ってればかっこいいけどねー。中身は鬼畜だからなぁ」
「確かに…黙ってれば、ね」
ボーッと、竜也先輩を見ているとこちらを見た。
「あ、こっち見てる!やべ!私ちょっと先に教室行ってるわぁ!」
なっちゃんも、気付いたみたいだ。
そして、逃げるように教室へと戻っていった。
私は竜也先輩に軽く会釈する。
先輩は私の目を真っ直ぐ見て、近付いてくる。
え、こっち来てる。