先輩、ちょっと待って下さい!
今日は、生徒会お休みな日だから早く帰れる。
お気に入りのスニーカーの、足取りも弾む。
コンビニに寄り、無意識にチョコレートが陳列されている棚を見ていた。
あ、忘れてた。
達也先輩に、たくさんチョコレート貰ったんじゃん。
私ってすぐ忘れるなぁ。
「今日はどのチョコレートっすか?」
横から声がして、振り向くと店員さんがお菓子の品だしをしながら私に話しかけていた。
顔覚えられてるんだった……。
「あ、今日はチョコレートいらないんです」
私が気まずそうに言うと、店員さんはにこっと笑った。
「珍しいですね。今日は疲れてなさそうですね?」
「えぇっ。私、普段疲れてるように見えますか……?」
店員さんは、大きく頷く。
顔覚えられてるわけだ。
いっつも、疲れた顔でチョコレートばっか買う奴がいたら嫌でも覚えるわ。