恋に落ちるなら君がいい
優しい瞳に導かれるように
自分でも気づかないうちに
吸い寄せられるように
足が勝手に彼の元へと歩んでいた。
「澪さん。俺と結婚して下さい。」
「はいっ‼よろしくお願います」
軽く頭を下げると
彼の手が私の肩をそっと抱いた。
「すみませんが、婚姻の手続きなど諸々あるため
このあと、彼女を貸していただけますか?」
「えっ⁉あ、はい!どうぞどうぞ…」
目が点になったままの課長に頭を下げて
委ねられるまま
オフィスをあとにした。