恋に落ちるなら君がいい
密会〜手探りな愛の確かめ方〜
慧から渡されたハンカチを握りしめて
数日間
悩んでいた。
なぜ、慧が私に連絡先を教えようとしたのか
少しの期待と少しの絶望。その間を何度も行ったりきたり
だって
慧にはもう…
あんなに美人な奥さんがいる。
それならどうして…?
ハンカチの端っこに書かれた数字。
何の期待なのかと
自分を嘲笑う自分もいれば
何かを変えられるチャンスだと
訴えかける自分もいる。
そして私は自分の訴えに耳を傾けて
その番号に
電話をかけた。
どんな言葉でもいい。
慧の言葉が欲しくて…。