恋に落ちるなら君がいい



「慧一君?どうした?」


突然の彼からの連絡はお気楽なもので


土曜日に一緒にゴルフに行かないかと誘われた。




砂月さんも同行すると言っていたが…


うちは澪の事は行けないと断った。



あの夜以来、彼女は俺を避けている。




「一緒にいたい」そう伝えた事がここまで2人の間に溝を作るなんて思いもしなかった。



「…どっかの社長が言ってたな…。

女はわがままだって。」



それが澪に当てはまるのかどうかは分からない。


一緒にいたい。


そう願うことがわがままだったのかもしれない。



ただ


側にいて欲しい。

そう願うだけなのに…。




ため息をついた俺に、たまたまそこに居合わせていた秘書が少し驚いた顔を見せた。



「社長でもため息をつくんですね?」


「当たり前だ。

最近は思うようにならないことが多すぎる。」


すると不思議そうな顔を見せる秘書。



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