恋に落ちるなら君がいい



「そうだよな…」慧は少し困ったように笑いながら

「黙っていなくなったんだ。殴られる事は覚悟しなきゃな…」

「親に居場所が見つかって無理やり連れてかれたんでしょ?


説明すれば野嶋君も分かってくれるよ。」


「だと、いいけど…。」



こんな風に会話ができる日がくるなんて夢にも思わなかった。



一緒にいるだけで安心する。


けど


あの頃と違うのは


私達の間には

一線も二線も引かなきゃいけない線があること。



好きだよ。

なんてあの頃のように簡単には言えない。


堂々と会えない。



あり過ぎるレッドラインは


楓社長以上だ。



それでも

知らない方が幸せなことは…



世の中にたくさん…


あるよね?


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