恋に落ちるなら君がいい
そう言うと、婚約指輪から寮の退去
事務仕事のように淡々と
ううん。仕事なんかよりもスムーズに
事は簡単に進んで行く。
「今日から君はここに帰って来て」
会社に戻る前に立ち寄った彼の住まい。
社長という身分の人が住むのはやっぱりそれなりの住まいなんだと、感心しながら周りを見渡した。
会社からそう離れていない都心部の高層マンション。
「この部屋って購入したんですか?」
フロアーとも言えそうな広いリビング。
「いや、賃貸。」
「賃貸っ⁈」
この立地条件で賃貸なら…
家賃は私の想像の圏外に違いない。
部屋のカードキーと一緒に生活費を渡される。
「食事は一応、毎日作ってね。家に帰れない日もあるけど、何か冷蔵庫に食べるものがあれば楽だから。」
「分かりました。」