恋に落ちるなら君がいい
慌てて体温計で熱を計ると…
39.8℃
「…ひどい熱」
土曜日は午前中ならまだ病院は開いている。
「社長、楓社長、起きて下さい。病院に行きますよ?」
体をゆすっても何をしても目を覚まさない。
私の力で大人の男の人を移動させる力なんかあるわけない。
慌てて電話帳で病院を1件1件探していく。
移動ができないなら…なんとか自宅に来てもらうことはできないだろうか…?
何軒も電話をかけてようやく…個人病院の医師が自宅に来てくれた。
しわしわのよぼよぼのおじいちゃん先生が楓社長を診てくれてるのを
私は冷や冷やしながら眺めていた。
40℃近い熱があるなんて…
体温の低い私から見たら
生死に関わってしまうんじゃないかと恐かった。