恋に落ちるなら君がいい
翌朝、熱は少しひいたものの…楓社長はまだまともに食事がとれずにいた。
「楓さん、確か今日は初めてブライダルの打ち合わせの日でしたけど…
来週にしてもらえるように電話いれておきますね?」
ベッドによこになっている社長に声をかけると
彼はゆっくり体を起こして私を見つめた。
「来週じゃなくていい。」
「でも、今日は…」
そう言った私から視線を逸らすと
彼は言った。
「ブライダルの件は…
無しにしようと思う。」
「えっ…?」
予想もしていなかった言葉に
一瞬
目が眩んだ気がした。
鼓動がざわつく。
それは
私が願っていたことだったのに…。