恋に落ちるなら君がいい
仕掛ける
「どうして…?」
「君が望んでいたことだろう?」
「夫婦を解消する気はまだ無いなが…
式は取りやめにしようと思う。
式をしてから何かあったとしたら、折角…祝福してくれる皆に悪いからな。」
突然の言葉。
私は
戸惑いながら
「わかりました。」と答えることしかできない。
なぜ
この話しを聞いて自分自身がショックを受けたのかも分からない。
皆の前で偽装結婚のお披露目をしなくても良くなったのに…。
そんな無意味な式に
慧を呼ばなくて済んだのに…。
「どうした…?」
「えっ?あ…
いえ、なんでもないです。」
「安心しろ。断りの連絡は俺がするから。澪が気に病むことじゃない。
すまない。
少し眠るから1人にしてくれ。」
「分かり…ました。」
再びベッドによこになったかれに返事をかえして扉を閉めると
胸に針が刺すような切なさを感じた。