恋に落ちるなら君がいい



私の話しを頷きながら聞いている彼だけど…

きっと知りたい所はそこではない。


それくらい私にだって理解る。


ただ、私がすんなり彼の欲しい答えをあげるかどうかは別だわ。


だって…


あげてしまえば


認める事になる。



「砂月さん夫婦が円満な秘訣は?」


「えっ…?」

飲みかけていたコーヒーカップを置いて思わず彼の顔を見つめてしまった。



それは

私にとって意外な質問だったから、



私と慧一が親に決められた結婚相手。


それだけで周囲の目はいつも厳しいものだった。


「うまくいってない。」を前提に話しをしてくる人はたくさんいたけれど

「うまくいっている。」を前提に話しを聞かれたのは初めてだったから。



夫婦円満の秘訣…。



それは

私と慧一にとって、大きな課題だった。



< 175 / 308 >

この作品をシェア

pagetop