恋に落ちるなら君がいい
「私は慧一の父親!つまりあの会社の社長が決めた慧一の婚約者よ‼
こんな事をして、ただで済むと思ってるなら後悔することになるわよっ‼」
慧一のいなくなったこの場所で
彼女が取り繕う必要なんか一つもない。
惨めな女だと思う。
「好きにしたらいい。
俺だって考えなしにあなたに喧嘩を売ったわけじゃないさ。」
「あの子のために、あなたがそこまでする必要がどこにあるのよ‼」
「ここまでする必要?
…必要なら充分あるさ。
俺が彼女を愛してる。
それ以外に必要なことなんてあるわけがないだろ?」
そう
例え
亡き父が自分の生涯をかけて俺に託したあの会社の危機が訪れることになったとしても。
俺は乗り越えるさ。
それが父との約束だから。
「うちの会社が運だけで上り詰めた。なんて思わないでくださいよ?」