恋に落ちるなら君がいい
世の中、不思議なものです。
愛し合って結婚する人達もいれば
愛し合っていても結婚できない人達もいれば
愛し合っていなくても結婚する人達がいる。
結婚とは?
という議題は
私にとって
生まれて来た意味を考えることと同じくらい難しい。
きっとそれは楓社長にも当てはまるんだろう。
翌朝、出勤するなり私の目のしたのクマを見つけて美和ちゃんがいやらしく笑った。
「社長との新婚生活はどう?」
それに対してただ、笑い返した私に美和ちゃんは根掘り葉堀り問いただしたいと言った様子でたくさんの質問を投げかけてくる。
「まさか、名無しのごんたさんの正体が社長だったなんてね。
実は正体知ってた?
だから澪、あんなに堂々と結婚宣言したんでしょ?
ある意味2人にしか分からないプロポーズ?
公然プロポーズだよね?
いいなぁ。
幸せでしょ?
社長って繊細そうで、優しそうで知的そうでイケメンだし。
文句のつけようが無いでしょ。」
美和ちゃんの妄想は止まらない。
「新婚生活ってやっぱり甘い?」
それを聞かれて不意に昨夜の楓社長との会話を思い出して笑みが溢れた。
「美和ちゃんの想像通りだよ」
笑う私に美和ちゃんも悔しがる。