恋に落ちるなら君がいい


そして聞かされた俺たちの赤ちゃんの話し。


あの日


全て。

自分の宝物全てを失ったと思った…。


それからは

人形のように

親父の思うように生きてきた。



どこか虚しさだけはあったものの…。

澪と出会う前と同じように

自分の意思もなく

ただ

親の決めたシナリオをなぞるような人生。




澪と再会した時だって

嬉しかったのに

虚しかった。

自分が情けなかった。

惨めな存在のように感じていた。



その理由さえハッキリわからなかったけれど



彼女に触れて


ようやく気付いた。



臆病になんかなってたわけじゃない。



失うのが恐かったんじゃない。



本当に恐かったのは…


君という宝物を求めすぎて


壊してしまいそうで恐かったんだ。





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