恋に落ちるなら君がいい



こんな形で

慧と一緒にはいられない…。


私を抱きしめてくれる腕を離したいわけじゃない。


けど


泣き崩れた砂月さんの姿…


最後に目にした楓社長の瞳が…


頭から離れない。



こんな気持ちで


慧と一緒にはいられない。


だって私は…


まだ

楓社長と終わらせてない。




待っているかもしれない。


あんな事があって

くたくたに疲れて

1人であのソファーに座って

最後の話しをするために私を待っているかもしれない。


だってあの人は…


言葉にしたことを必ずやり遂げる。

そんな人だから…。



私を守ると言った言葉通り

顔を合わせていなかったあの10日間も

私を避けているものだと思ってた…。


だけど違った。


彼は…

私のために

悪人になって全部1人で背負うための準備をしていたんだ。



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