恋に落ちるなら君がいい
三影財閥の長女として産まれてきた。
2人いる弟達は
男。という性別だけで周囲は手塩にかけるように
とても大切に愛情を注いでいた。
同じ親から産まれてきたのに
愛情の違いは
幼い私にも手に取るように理解っていた。
そこにいるだけで愛される資格を持った弟達と
努力をしなくては愛されない私に
慧一が産まれるまで、なんの存在価値もなかった。
通っていた幼稚園にだって本当の友達はいなかった…
「砂月ちゃん。遊ぼうよ」
「うん、何して遊ぶ?」
「鬼ごっこしよ」
「いいよ。じゃんけんして鬼を決めよ?」
そう言ってじゃんけんをしようとした私に
友達が言ったの。
「だめだよ。砂月ちゃんに鬼をやらせたらダメだって。
先生もお母さん達もみんな言ってるよ。」
「…どうして?」
「そうしたほうがいいって。だって砂月ちゃんはお金持ちのお嬢様だからって」