恋に落ちるなら君がいい
その言葉は幼い私の心をえぐるように傷つけた。
同等に扱われない特別扱い。
家族にも愛されてるわけではない私。
私の名前のせいで…
自分という存在として産まれてきたせいで
誰からも愛されない。
心から必要とされない。
大切に育てていた小鳥さえも
私の手の上から飛び立った。
幼い私に父がプレゼントしてくれた小鳥…。
毎日餌をあげて
頭を撫でて
可愛がっていた。
籠から出せば
童話の絵のように
私の肩にのり
可愛らしい声で囀りを歌って聞かせてもらえると思っていた。
だって
童話のお姫様はみんなそうだった。
動物達に愛されて
囲まれて
人間の友達がいなくても
愛すれば
動物はそれを返してくれる。
幼い私はそんな童話の絵を
信じていた…。