恋に落ちるなら君がいい
小鳥の籠の蓋をあけて
そっと手のひらを忍ばせると
ふわりと
この手のひらに感じた
ほんの僅かな重み。
そっと籠から取り出して
その顔を覗きこんだ時
小鳥は小さな羽を羽ばたかせて
開け放たれた窓の外へ飛び立った。
あんなに愛情を注いだ私に
振り返りもしないで…。
その時
初めて知ったわ。
ううん…もうずっと前から本当は気付いていたかもしれない。
私は
孤独なプリンセスでもなくて
ただの、愛されない1人の惨めな女の子だったことを。
小鳥が飛び立って物気の空になった籠を見て悟ったの。
どんなに愛していても
自由を与えればみんな私の元からいなくなること。
本当に愛しているなら…
籠の中にしまって
二度とその蓋を開けてはならないこと。
籠の中にいれておけば
大切な物を失わずにすむこと…。