恋に落ちるなら君がいい
愛されるためには
もう1人の良いこの自分を作り出す必要があった。
聞き分けがよくて明るくて、何事も否定をせずに
笑顔で受け入れる。
そんなもう1人の私を作り上げ
演じる事によって、更に周りは私を三影財閥の自慢の一人娘。という眼差しで見つめた。
慧一もそう。
産まれたばかりの頃から
私は慧一を大切にした。
1ヶ月に1度は親が会いに連れていってくれた。
私に存在価値を与えてくれた
将来の王子様。
可愛くて無垢で
大切な大切な私の宝物。
慧一に嫌われてしまう時
それが自分の存在の終わりを示すものだと知っていたから…。
慧一の前ではいつも以上に
良い子の私を演じた。
…慧一に愛されるために。