恋に落ちるなら君がいい



「全部、終わるまではダメ‼

私はまだ…水無月澪なんだから…。


今の段階で慧とそういう事をするのは

不貞行為と言えるわ‼」

真面目な顔して笑わせてくれる。


「こうやって2人きりでいるのは不貞行為じゃないわけ?」

つまらなさそうな態度をすると

澪は困ったように俯く。


困らせたいわけじゃない。


困らせたいわけじゃないけれど腹がたつんだ…。

不貞行為。

そう言い張る澪の言葉はなんだか言い訳に聞こえるようで…。


本当は

あいつの所に戻りたいんじゃないかと…

勘ぐってしまう。


それは俺に余裕がないからかもしれない。


彼女に拒否をされるたびに


彼女が言い訳をするたびに

彼女はまだ

「水無月」という名前に必死にすがりついているように見えて

腹がたつんだ。



< 252 / 308 >

この作品をシェア

pagetop