恋に落ちるなら君がいい



「な、ないよ…」


恥ずかしげに答える彼女。

「本当に…?」

「本当だよ…」

「それなら良かった。」


押し寄せていた不安の波が一気に引いていく。


本当に良かった。

澪も俺と同じ。でいてくれたんだ…。


安心してため息をついた時

「慧…どうしても…聞いて欲しい事があったんだ。



それを慧にも…

聞いてもらいたかった。

私と一緒に

向き合ってくれる…?」


緊張しているのか


涙ぐんだ目


俺の手を力一杯握りしめた彼女の真剣な表情を見て


思わず息を呑んだ…。
< 257 / 308 >

この作品をシェア

pagetop