恋に落ちるなら君がいい
今夜8時
海の見える公園の
からくり時計の下で待ってます。
「どうやって入ったんだよ…
幽霊かよ…」
思わず
心の声が言葉に変わる。
「…憑かれましたね。」
突然、背後から聞こえた秘書の声に驚き振り返る。
「だから、なんで突然いるんだよっっ‼
…まさか
お前じゃないよな?」
思わず
不信の目で見てしまう。
「私があなたの不在時に
勝手にこの部屋に入るとでも…?」
…思うから聞いてるんだよ。
だけど
なんとなく
それを言うのが恐くなったので止めた。
「もういい!出てけ。」
「はい。
下から回って来た報告書を置いたら直ちに出て行きます。」
報告書をさっきの手紙の上に置くと静かに部屋を出て行く秘書。
「幽霊よりお前のほうが恐いわ…」