恋に落ちるなら君がいい




どれくらいの間そうしていただろうか。



彼女の耳が氷のように冷たくなっていて


驚いた。



「このままだと風邪をひいてしまうっ、何処かに場所を変えよう。」


彼女の手を引いた俺の手を引き返す彼女の手。



「場所を変えるのは

あなたが私の質問に答えてから。

じゃないと

変える場所が

変わっちゃう。」


「どういう意味だ…?」


「あなたの返答しだいで行き先が変わっちゃうんです。」


「そう…なのか?

それなら早く質問しろ。

…と、言いたいが。

俺だって君に聞きたい事がある。」


そう

姿をくらましていた間の事。

あいつのこと。

なぜ、突然俺の前に現れたのかその理由と

社内新聞に書かれた恋人募集の記事のこと…。


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