恋に落ちるなら君がいい
「レディーファーストって言葉…知ってます?」
からかうように笑う。
こんな事を言うような子だったか…?
いや
違うな。
会わない期間に
彼女は変わったんだ。
「…分かった。君から質問をすればいい。」
「ありがとうございます。」
そう言って
丁寧にペコリと頭を下げて見せると
顔を上げた彼女は真剣な表情に変わっていた。
「恋人募集の記事に…
なぜ返事をくれたんですか?」
「それは…
もしかしたらあれを書いたのが君なんじゃないかと…
勝手な期待をしたからだ。」
俺の真似をした奴をしょっぴくためなんて言えるかよ…。
「あれを書いたのが…ここに居たのが私じゃなかったら
どうしてたんですか?
その人とおつきあいをしてたんですか?」
「それはないな。」
これなら即答だ。
だって…
俺が好きなのは
君だけだから…
それはこの先も変わらない。
変えられない。