恋に落ちるなら君がいい



「今…なんて…?」

自分の聞き間違えなんじゃないかと聞き返した俺に

彼女は大粒の涙を落としながら

夜の静かな公園に響き渡るんじゃないかと思うほど

泣きながら叫んだ。


「叶わなくてもいいっ‼

だけど、もしも許されるならっ…‼

受け入れてもらえるならっ…‼


恋をすることができるならっ…‼


最後の恋は

あなた以外に考えられないっ‼」



欲しい物を手に入れたくて泣く


まるで子供のような彼女。


俺は

何が何だか分からなくて

だけど…

やっと

ちゃんと

伝わった。


どうしてなのか分からないけれど…


そんな風になるくらい

君は俺が好きなんだ。


ってこと。


握りしめていた手に

そっとキスをした。



「俺も。

最初で最後の恋に落ちるなら君がいいなって

改めて思い知らされた。」



抱きしめるよりも先に

兎のように飛びついてきた彼女を強く抱きしめる。


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