恋に落ちるなら君がいい
「それで…?
行き先はどこに決まったの?」
今すぐ死んでしまっても構わないと思えるくらいの幸福感。
彼女の望むこと全てを叶えてやりたい。
今すぐ式をあげたいと言うなら
あげてあげる。
そして
世界で1番幸せな花嫁にしてあげるから。
「恥ずかしいから…聞き返さないでくれる?」
小鳥のさえずりのような小さな声が耳をくすぐる。
「分かったよ。」
そう言って耳を澄ませる。
「家にはまだ帰りたくない…。
だけどあなたに抱かれたい。」
…
…
…
「えっ‼‼⁉」
「だから聞き返さないでって言ったじゃないですかっ…」
泣きそうな声。
家には帰りたくなくて
抱かれたいって…
つまり
そういうことだろ…?
幸せすぎて
死んでしまいそうだ…。
幸せすぎて
目が眩む。
こんな夢のような事が
現実であっていいのか…?
「あれ?楓さんっ⁉…楓さんってば!
どうしたんですかっ⁉」
思考力ゼロ。
君を抱きしめたまま
動けなくなってしまいました。