恋に落ちるなら君がいい
それは慧も同じだった。
許せないことは許せないけれど
砂月さんの事を知りたいと思う。って
言ってた。
慧は自分が産まれた時からずっと側にいた砂月さんの何一つ知らなかった。
そう言ってた。
時間をかけて
大切な事を見つけていった。
49日を迎える日までに
私は慧を
慧は私を
前向きに生きるためにサポートし合った。
「ねえ、澪。もしも俺たち引き離されなければ
今頃は普通の家庭を築いていたと思う?」
私は
首を横に振った。
例え
あの時引き離されなくても
私は慧のことを何も知らなかった。
いつか
慧が会社の跡を継ぐために
面と向かってお迎えがきてしまったら…
許嫁がいると知ったら…
私はきっと
慧を手離していたに違いない。
それが例え
無理やりでも
無理やりじゃなくても
いつか私たちには終わりがきてたんじゃないかと…
思うようになっていた。