恋に落ちるなら君がいい



私達が出会うのが間違いだったとは思わないけれど


自分の力で

自分の道を切り拓けるほどの力を持った大人でもなかった。


私達は出会うのが早過ぎた。


私達の恋は

愛と呼ぶには幼すぎたんだ…。



だから


今もこうして


あの時のしっぺ返しをくらってる。



「でも…、もしも私がちゃんと慧を待つことができて


慧が王子様のようにちゃんと社長という立場になって私を迎えに来てくれてたら…


もしかしたら違っていたかもね?」

笑う私に

慧も吹き出して笑った。


「そんな王子様キャラじゃないだろ。」




私は…


こうしてちゃんと振り返って

確かに思う。


私の最初の恋の相手で良かったって。


たくさん傷ついて

泣いて


苦しいことばかりだったけれど


それがあったから





私は大切なことに気付くことができている。



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