恋に落ちるなら君がいい



困った時はいつでも電話をしてきてね。


愚痴くらい


朝まで聞いてあげる。



こんな私で良かったら

私なりのアドバイスなんかも

偉そうにしてあげる。


でも


それは


元恋人としてじゃない。


あなたを誰よりも理解してる


友人として。だ。


じゃなきゃ


私のこれかは思い描く幸せな未来の邪魔者に

慧がなってしまうから。


「同じ言葉、そっくりそのままお返しするよ」



アパートを出ると

コートを着ていても凍てつくような寒さに身が縮こまる。


そんな私を見て


慧が人懐こい笑顔を見せた。


「澪の吐息が見れる季節だな」って。



あの時は

そのまま突然別れてしまった。



けれど今日はちゃんと

お互いの道を歩くために

別々の道を選んで別れを選んだ。







足取りが


徐々に早くなる


会いたくて

会いたくてたまらない人がいるから。


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