恋に落ちるなら君がいい


初めてまともに自分から

慧一に大きな声をあげた。

負の私を

本当の私を見せた。


終わらせるなら早く終わらせて


この惨めな思いから

早く解放して欲しい…。



「ごめん。離婚届けは持ってない。」


「えっ…?」

思わず

顔を覆っていた両手をどけて


ボロボロの泣き顔のまま

目の前の困り顔の慧一を見つめた。


「長いこと留守にしてごめんな…?

過去の精算を彼女としてきた。」


「…どういう

意味なのか

分からないわ。」


「うん…だからさ

簡単に言えば、自分の気持ちと向き合い直して

澪との昔の恋にさよならをしてきた。」


慧一の言ってる意味が


全くもって理解できない。



「それならなぜ…


ここにいるの?

自由になるために

私に別れを告げにきたんじゃないの…?」



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