恋に落ちるなら君がいい




鼻歌を歌いながら玄関で靴を履いていると

背後から殺気を感じて

恐る恐る振り返る。




やっぱり居た

両腕を組んで

鬼オーラをフルに放つ楓様。



「で?なんでまた慧一に会いにいくわけ?」


物凄い殺気に気圧されてしまいそうですが

それはそれで私の信用度がゼロだと言われてるような腹立たしさも感じる。


「だから、言ってるでしょ⁉

慧と、野嶋君とランチしてくるの‼」

「わざわざ土曜の昼間に⁉

しかも野嶋って誰だよ、野嶋って澪の何⁈」


予想以上にブチキレてますね…。


「野嶋君は慧と共通の友達!

慧が野嶋君と仲直りしたいから付いて来てって。

しかも野嶋君はうちの会社の営業マン!

社長なら会社で働く部下の名前くらいちゃんと頭にいれときなよ。」

「馬鹿かっ!何百人といる社員の名前を覚えられるはずが無いだろっ!

俺はコンピュータかっ‼」


楓様の怒鳴り声…久しぶりに聞いた…。


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