恋に落ちるなら君がいい



彼は


不思議。


会社で見かけた時には噂通りの人のように感じるけれど


ひとたび、周囲に誰もいなくなると、まるで幼い無知な子供のようだから。


協調性がなくて、自己中心的で

彼は決して、周囲の意見に耳をかさない。


わがままというか…

なんというか…


自己中心的なくせに

「自分」というものがないように感じる。



心を捨てた私と


似たようなものを感じてしまう。



同じ側の人間がいてもおかしくはないだろうけれど…


なぜ、そんな似たもの同士の私達が出会ったのか


不意に疑問に感じてしまった。



私達2人が夫婦でも

足りないものが同じならそれを補うことはきっとできない。



補いあえるのはきっと…


そう…


タイプの違う2人なんだ。


そう…


私と慧。とだったみたいに。




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