恋に落ちるなら君がいい
簡単に当たり障りのない学歴の話しから好きな食べ物、嫌いな食べ物などを話して行く。
私達の会話がまるでお互いの面接のようになってしまうのは
話が発展しないような話しをお互いに気をつけているからだろう…。
当たり障りのない話しを心がける。
つまりはお互い踏み込みたくない一線と踏み込まれたくない一線が分からずに
手探りなんだと思う。
だからこそ…
お互いの家族。についての話しが一切ない。
私が彼の家族のことで知ってるのは、彼の父親が今の会社を立ち上げたこと。
そしてもう、亡くなっていること。
うちの会社に勤めている人間が誰しも知ってる情報のみだ。
「君は俺の事をプライベートでは名前に社長付けで呼んでいるけれど、ごく親しい人間と会う時には名前で呼んで欲しい。
俺もそうするから。」
「…そうですね。そのほうが自然ですものね」
「そして一つ、君に聞いてみたいことかわあるんだけど…」
「はい?」
「今現在、好きな人がいるの?」