強い女
仕事中
「先ほどの作業指示ですが、
順番逆の方が効率が良いと思うんですが」
料理の伝票を並べながら調理場に立つ人影に話しかける
人影は台を拭く手を止め振り向いた
「それは作業を早く終わらせるためだけの提案だろ?
お客様優先、だから却下」
提案の内容さえ聞かない上司に
司はまなじりを吊り上げる
「私ももう3年目ですよ
提案の内容くらい聞いていただけませんかね」
荒げることなくドスの利いた重低音に司の上司、平野も眉間にしわを寄せる
「まだ!3年目だろうが。
狭い視野で文句言ってんじゃねえ仕事しろ」
「仕事はしてます。っていうか意見聞かない店長に視野狭いとか言われたくないんですけど?」
「俺は視野が狭いんじゃなくて無駄な押し問答が嫌いなだけだ」
「無駄!?」
司の怒鳴り声を聞きつけて副店長が飛んできた
顔に「またか」と書いてある
「またやってるんですか…客席まで響くからやめて下さいよ…」
地声の大きい2人に割って入ったのは副店長の山本だ
周りにいるバイトからの呆れたと言わんばかりの視線も痛い
バツの悪さも手伝って司は不満げに黙り込んだ
順番逆の方が効率が良いと思うんですが」
料理の伝票を並べながら調理場に立つ人影に話しかける
人影は台を拭く手を止め振り向いた
「それは作業を早く終わらせるためだけの提案だろ?
お客様優先、だから却下」
提案の内容さえ聞かない上司に
司はまなじりを吊り上げる
「私ももう3年目ですよ
提案の内容くらい聞いていただけませんかね」
荒げることなくドスの利いた重低音に司の上司、平野も眉間にしわを寄せる
「まだ!3年目だろうが。
狭い視野で文句言ってんじゃねえ仕事しろ」
「仕事はしてます。っていうか意見聞かない店長に視野狭いとか言われたくないんですけど?」
「俺は視野が狭いんじゃなくて無駄な押し問答が嫌いなだけだ」
「無駄!?」
司の怒鳴り声を聞きつけて副店長が飛んできた
顔に「またか」と書いてある
「またやってるんですか…客席まで響くからやめて下さいよ…」
地声の大きい2人に割って入ったのは副店長の山本だ
周りにいるバイトからの呆れたと言わんばかりの視線も痛い
バツの悪さも手伝って司は不満げに黙り込んだ
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