セピア‐ため息の行方
「はい。お願いします」
  と峻甫は蛍子の申し出を快諾した。


  ちなみにこの頃になると峻甫は花梨に一目惚れをしていたので、少しでも長く花梨と一緒に居たいと言う思いが強くなってきていた。


  そしてそれは多分峻甫にとっては花梨を好きなんだと言う思いが、確実にはっきりと意識下で認識された瞬間でもあった。


「さあ!じゃあ取り敢えず花梨ちゃんと壷田さんおトイレに行って、上着を着て待っててね。私は外出をする準備をして来るから」
  と言うと蛍子は階段を駆け昇った。
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