セピア‐ため息の行方

「あっ、今現在僕があの女性に対して特別な感情を引きづっていると言う事はありませんよ」


「あら？そうなの？」


「はい。確かに僕も男ですからあの時僕はあの女性に好意を持っていたし、暫（しばら）くはあの女性を見つめる事や会話が嬉しくて、一喜一憂してました」


「そうなんだ」


「でも今現在の時点では『一般的な男性が経験する恋愛の通過点』としか捉えてないです」


「ふーん。じゃあ壺田さんにとってはあの女性への想いは、単なる本命の彼女が出来る前の出来事でしかなかったって事なんだ？」


「はい。多分そう言う事になると思います……」