セピア‐ため息の行方

「はあ……？」


　　この時蛍子はさっきまで『マニュアル通りではなしに、何故壺田が此方に来てしまったのか？』と言う事にばかり気をとられていた事に、ハッキリと気づいた。


　　が、しかし花梨に一目惚れをした峻甫にとっては、花梨と今後一緒にスピリチュアル学を学ぶと言う事は、好都合な事だった。


　　尚、所詮厳密に言うと峻甫が此方に来た経緯を李が調べてその理由が解ったにしても、結果的に峻甫は此方で一通りのスピリチュアル学を学んで習得しない限り、現世には戻れない仕組みになっているのだ。