セピア‐ため息の行方
  その花梨の母親からの電話連絡を聞き終えると胡桃は受話器を電話機にゆっくりと戻した。そしてひとまず心呼吸をして少しでも平常心に戻そうと、思いっきり鼻から新鮮な空気を吸い込みゆっくりと息を吐いた。すると幾分か気持ちが落ち着いてきたので胡桃はこれからまずはどうするべきなのだろうか?と考えた。


ちなみに秋田県と東京遠いから、なるべく座って行きたいから指定席の切符を確保しなきゃとか、あと東京行きの新幹線は何時のに乗れば良いのだろうとか、はたまたお見舞いのお金も用意をしなきゃだし。秋田県から東京へ行くとなると一日では済ないだろうから、せめて2~3日はいや花梨の容態が落ち着くまでは見届けたいから、その宿泊費も用意しておかなければならない。


いやその前に3人の子供達はどうしょう?と考えた。そんな事が胡桃の頭の中でグルグルと回り始めた。うーん。どっちにしろまずは夫に知らせてそれからだと思い、取り敢(あ)えず胡桃は夫のケータイに
メールを送った。


  そして翌日胡桃は予定通りに新幹線の指定席に乗り込み、東京へと向かった。
< 130 / 291 >

この作品をシェア

pagetop