セピア‐ため息の行方
シーンと静まり返った病院内の廊下に、胡桃が履いているスリッパの音がパタパタとやけに響く。ちなみに余程慌てていたのだろう。病院の廊下で息を切らし駆けて行く胡桃のその足元を見ると左右違う色のスリッパを履いていた。
「此処は病院ですよ。もっと静かに歩いて下さい!」
とすれ違いざまに眼鏡をかけた年配の看護師の女性にジロリと胡桃は睨(にら)まれた上に嗜(たしな)められた。少し眼つきのキツイその看護師に威圧されて思わず胡桃は
「あっ、すいません」
と頭を下げお愛想笑いをして歩調を緩めた。
胡桃はまずナースステーションへと急いだ。平日の為かナースステーションのある2階フロアは閑散としていた。
「あのうすみませんが私、倉橋花梨さんの友達なのですが花梨さんが入院をしている部屋は何号室でしょうか?」
と胡桃はナースステーションの受付の小窓を覘いて聞いた。
すると小窓からナースキャプを被った若い看護師が受付の小窓から顔を見せて
「倉橋花梨さんですか。少々お待ち下さい」
と言って一旦奥に引っ込んでからカルテを確かめ部屋番号を教えてくれた。
「此処は病院ですよ。もっと静かに歩いて下さい!」
とすれ違いざまに眼鏡をかけた年配の看護師の女性にジロリと胡桃は睨(にら)まれた上に嗜(たしな)められた。少し眼つきのキツイその看護師に威圧されて思わず胡桃は
「あっ、すいません」
と頭を下げお愛想笑いをして歩調を緩めた。
胡桃はまずナースステーションへと急いだ。平日の為かナースステーションのある2階フロアは閑散としていた。
「あのうすみませんが私、倉橋花梨さんの友達なのですが花梨さんが入院をしている部屋は何号室でしょうか?」
と胡桃はナースステーションの受付の小窓を覘いて聞いた。
すると小窓からナースキャプを被った若い看護師が受付の小窓から顔を見せて
「倉橋花梨さんですか。少々お待ち下さい」
と言って一旦奥に引っ込んでからカルテを確かめ部屋番号を教えてくれた。