セピア‐ため息の行方
「そうだったんだ。でもそうだったにしても正直言うと未稀ちゃんと何十年も会えないよりか、早目にこうして久し振りに会えてとっても嬉しいわ。ちなみに私の夢の中では頻繁に未稀ちゃんが出てくるけれど、朝目覚めたら未稀ちゃんは私の目の前からすぐに消えてしまうんだもの」


「そうね。所詮夢の中に出てくる私は愛ちゃんの想像の産物でしかないもの」
  としみじみ未稀は愛の目を見つめながら言った。


「うん。うん。そうかも知れない。だって夢の続きを見たいと思っても翌日の夢はまた違う内容だったりもするし。だから絶対的に今現在未稀ちゃんとこうして会えて良かった。そう思ってる。それは未稀ちゃんがあまりにも予想出来ない若い年齢で、私の目の前からいなくなってしまったから、尚更そう思うんだけれど」


「愛ちゃんありがとう……」
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