セピア‐ため息の行方
『癌告知?!』だなんて……で・出来る訳がないじゃないか。そんな酷(むご)い事を星空にどういう顔をして言えば良いって言うんだよ。それにしても星空おまえはなんでそんな病気になんかなったんだ……う・うううっ。

  その時内海は悲しみのあまり目の前が真っ暗になり、今にも胸が張り裂けそうな辛い気持ちをどうしても抑(お)さえられなかった。


  ちなみに今現在の俺は自分の病気の事を何も知らない星空の側にいて、ひたすら辛さを圧し殺しながら毎日星空を励ます事だけしか出来ないんだ。そう思ったら自然と涙が頬を伝い流れ、益々涙が止まらなくなった。せ・星空……。
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