セピア‐ため息の行方
  まあ僕は星空と一緒に旅行が出来て嬉しかったんだけどね。ちなみにあの旅行の時僕は星空とじっくり話しがしたかったんだ。でもやっぱり勇気がなくて話しかけられなかった。


  そう言えばその旅行先で僕と星空がエレベーターに一緒に乗ってた時、『何階ですか?』って聞かれて、『天国』って答えたらエレベーターに乗り合わせていた人達の目が点になってたっけ。僕は単なるジョークのつもりで言ったのに。


  でもってその旅行で星空と色々な話しが出来て、僕と星空の距離が少しは縮まるかな?って思ってたんだけど、その思惑はもろくも崩れ去っただけだった。


  って言うかその時の僕は遊び馴れてなかったから正直星空に『僕と一緒にお酒を飲みに行きませんか?』って言うそんなごく簡単な一言さえも、勇気がなくて言えなかったんだ……。
< 178 / 291 >

この作品をシェア

pagetop