セピア‐ため息の行方

　　でも今思い返すとそれまで僕達二人はまともな会話すらしてなかったから、僕は日々歯痒かったんだ。ちなみに明るくておしゃべりな君の方から積極的に話しかけてきてくれたら良いのにと、何度思っただろう？


　　ちなみに男は基本的に臆病な生き物だから相手が自分に対して確実に思いを寄せていると確信出来なければ、何らかの行動を起こせない。僕だって例外ではなかった。それらの事を踏まえて必然的に星空に対して躊躇（ちゅうしょ）していたんだ。


　　星空もまた僕と同じ考えだったのか？僕に対しては常に一歩退（ひ）いている感じだった……。