セピア‐ため息の行方
「でね、その時私『膵臓癌』の告知を受けたの。ちなみに膵臓癌ってね症状が出た時点で手遅れなんだって。そんなだったから私は癌宣告されて、3ヶ月もたずに病変して息を引き取ったの」


「そうだったんだ。まさか星空が膵臓癌になって緊急入院したなんて、想像すら出来なかったよ」
  と恭は改めて驚いた。


「でもってその生と死の狭間でもって私の心が恭を求めた結果、今に至ってるって訳」
  と星空は恭にそう説明した。


「えっ?!この僕の事が真っ先に思い浮かんだの?」
  と恭は嬉しさのあまり、改めて星空の顔をじっと見つめてニッコリと微笑んだ。
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