セピア‐ため息の行方
ちなみに目を凝(こ)らして良く見ると部屋の中に置かれている箪笥(たんす)も心なしかレトロな雰囲気である。尚、更に花梨が視野を拡大してキッチンを眺めると、リビングには駅弁の『釜飯』の器でしか見た事のない昔懐かしいお釜が置いてあった。でもってカーテンの柄も昔見た雑誌の『大正ロマン特集』の本から飛び出てきたようなデザインの模様だ。
尚、部屋の中はまるで花梨がいつしか図書館で見た大正時代の写真集の名残が色濃く残っている時代の昭和初期そのものの佇(たたず)まいのように思われた。だから花梨は周りをキョロキョロと見回しながら李に質問をしてみた。
「此処はいったい何処なのですか?そして今此処は何時代ですか?」
「うっふっ。そうね。時代的には紛れもなく昭和初期ね。でもそれ以前に此処は如(し)いて言えば死後の世界かしら?」
とそう李がにこやかな顔で言った。
尚、部屋の中はまるで花梨がいつしか図書館で見た大正時代の写真集の名残が色濃く残っている時代の昭和初期そのものの佇(たたず)まいのように思われた。だから花梨は周りをキョロキョロと見回しながら李に質問をしてみた。
「此処はいったい何処なのですか?そして今此処は何時代ですか?」
「うっふっ。そうね。時代的には紛れもなく昭和初期ね。でもそれ以前に此処は如(し)いて言えば死後の世界かしら?」
とそう李がにこやかな顔で言った。